事の初め
他のブログからの転載ですが、マーブルリングを始めた頃の話です。揚げ句サイトまで作るに至るとは、正直考えていませんでした。長いので興味がある方だけどうぞ。大して実のある話じゃありません
地獄のような忙しさの中、何となくPhotoshopでマーブル紙模様を作り始めた。ブーケとかピーコックと言われる、メジャーなマーブル紙模様だ。
歪みフィルターを数回掛けることで、そこそこの物は出来るようになったが、どうも気に入らない。
かなり以前に使っていたPainterの大理石模様(現マーブリング)に比べると、何とも色気がないのだ。
そこで、Tigerのclassic環境にPainter7(古!)を入れてみようか、と考えた。G3でマーブリングの特殊効果を使った時には、CPUが悲鳴を上げて、とんでもなく時間が掛かったので、Painterは最早使うまいとバージョンアップしてこなかった。
で、久々にインストールCDを探してみると、カーボンだった。OS9とOSXの両方で使える。ただし、OS10.1か。
ま、やってみようじゃないか、ということで、またもやバックアップを丸っと取って、インスト。結果として、classic環境では問題なく動く。でも10.4では殆ど使いもんにならない。だけど特殊効果は問題なく使える。Painter2の頃からインターフェイスが殆ど変わらないといわれる特殊効果は、そもそもPainterで絵を描こうという方には、あまり興味を惹かれないものらしい。その御蔭で改良されず10.4でも使えるということかもしれない。
しかし、いくらclassic環境で使えるといっても、処理速度は相変わらず遅い。そりゃG3よりは早いけど、綺麗に処理させようとすると、1時間単位で時間が掛かる。
そこで、役に立たないだろうと思っていたLionのclassic環境エミュの方ではどうだろう、と考えてみた。あっちはメモリも16G積んでるし、Dualプロセッサだ。skeepshaverに使用メモリの振り分けも出来るし、OS9はアプリ自体に使用メモリを自分で割り当てられる。インストーラーをイメージディスク化するのが面倒だが、とにかくやってみようということで、インストしてみた。
結果として、タブレットの筆圧感知が効かないくらいで、他は問題なさそうだ。特殊効果の処理も10.4のlassic環境より倍は早い。
という訳で、暫くはマーブリングに取り組んでいた。
しかし、やはり遅さに耐えられずX3を購入してしまった。そこで見たマーブリングのインタフェイスが、以前とのものと全く変わっていなかったことに涙とも安堵とも言えない溜息を付きつつ、作業続行となる。
さて、改めてマーブル紙をPainterで作るという作業を本格的に始めた。
実はずーっと前に、私はマーブリングのキットを買ってやってみたことがある。日本の墨流しとは違い、とても緩い糊の上にインクを垂らし、それを棒や櫛で縦横に引っ張って、明礬液を塗って乾かした紙に転写する。一発勝負なので、かなりしんどかった。
しかし今度はパソ上なのでUNDOが出来る。しかも、Photoshopの歪みフィルタのように感覚でやるのではなく、完全な数値による管理だ。
本来、マーブリングで絵具を動かすのに使う道具は、基本的には3つしかない。1つは棒(笑)。割と太めの棒で、上下、左右に動かして、垂らした絵具を伸ばすのに使う。それをPainterにやらせると、必要なのは間隔と引き具合の2つの数値になる。次にコームと呼ばれる櫛状に細い棒が並んだもの。これで絵具を引くと鱗模様が交互ではなく、一列に並んだものが櫛の歯の数だけ並ぶことになる。これに必要なのも間隔と引き具合。最後に2列の棒が互いの間に入る形で2列に並んでいるコーム。これを左右に動かしながら上から下へ動かすと、瓢箪のように絵具が広がる、括れるを繰り返していく。これに使うのは、間隔、振幅、波長、引き具合。
これらにオフセットと位相の数値が時折加わるが、こうして書いてみると、Photoshopの歪みフィルタで、みんな出来ることだ。実際、Photoshopで作った時の手順はPainterの特殊効果の手順とさほど変わりがない。
なら、出来上がりを左右する、Photoshopの歪みフィルタとPainterの特殊効果のどこが根本的に違うのかというと、それは引き具合だ。
Photoshopの歪みフィルタは歪みをブラシとして考えるので、強く引くにはブラシのサイズを上げなければならず、広範囲を巻き込んでしまう。Painterの方にはブラシサイズの観念はなく、強く引く気になれば、ぼかしの移動フィルタ並みに全部引っ張っていく。
ここら辺が判る頃には、もうどっぷりとマーブリングの数値世界にハマり込んでしまう筈だ。
ただ、数値で考えるにしても、その数値が絶対値ではなく、キャンパスサイズに対する相対値というのが泣きたい点だった。同じ模様なのに、用紙のサイズが変わる度に、設定が変わるのだ。Painterというアプリ自体が本格お絵書きソフトであるが故の相対値なのだとは思うが辛い。だが、そもそも何世代もインタフェイスが変わっていないのは、必要ない機能だからだろう。そのうち無くなるのかもしれない。絵具を垂らし、前の絵具の円に干渉して歪ませながら、自らも丸く広がるという、油滴という効果があり、マーブリングの特殊効果は油滴の後に使う、と取説には書いてある。試しにやってみて、2度とやらないという人が大半だと思う。油滴というのは、乱数を元にして絵具を落としていくので、痒い所に手が届かないもどかしさがあるからだ。
偶然の妙でいいというのなら、それで構わないが、油滴の後のマーブリングが数値によって管理されているのとは対極的すぎて、やってらんねェよとか思ってしまう。
そこで、油滴に頼らずにマーブリングの作成を管理しようと考えるわけだ。
そろそろ自分がやっていることが、どこに向かっているのか判らなくなってきていた。
私が作りたかったマーブル模様とは、マーブルケーキに表わされるような、不定形な大理石模様じゃない。それはPhotoshopで作れるから。先に書いたコームと呼ばれる歯の間が細かい櫛を使って作るマーブルペーパーだった。だって、その方が面白いじゃん。
作るサイズをまず決める。相対で数値を作る以上、元のサイズは一定じゃないと訳が判らなくなる。更に絵具を引っ張るので、縁の方は綺麗な模様にならないことが多い。なので、一回り大きいサイズを設定する。
そんなこんなで、マーブル作り三昧をしていたが、そこではたと思う。作ったこれをどーする?
そして現在に至ってます。
追記 その後、2015が出たので早速入れてみると、油滴はプレビューがついて(表示に時間が掛かるが)満足したものの、マーブリングについてはインタフェイスは大きく変わり、ダイレクトに数値入力出来るようになっていたにも拘わらず、どうにも酷い出来だった。アップデートを待ってます……